英文契約書は、英文契約書独特の意味があり、仮にあなたが知っている単語でも、契約書の中では実は別の意味であることも少なくありません。
少し話は逸れるのですが、最近弊所へ、英文契約書などの依頼が増え、やむを得ず多少お時間を頂く場合もありますので、できれば余裕を持って、英文契約書の作成、リーガルチェック、翻訳等のご依頼頂けると助かります。
今回は、”as is“について解説致します。
“As is”とはどういうことか。
“as”とは、文脈により「~として」、「~なので」など多くの意味があり、”is”もbe動詞と、容易な単語ですが、”as is”で「現状、ありのまま」という意味になります。
例えば、製品、商品を売り渡す取引、中古などの不動産を売り渡すときの英文契約書に、よくas isが使われます。仮に製品、商品、物件が一部傷んでいたとしても、「ありのまま、何の保証もなしに売り渡す」ということを言っているのです。
意外に簡単な単語で構成されているため、「現状(引き渡し)」という意味まで行きつかない方も多く、相手方からのドラフトで入れられているケースも多いので、”as is”を見つけましたら、注意深く英文契約書の内容を見ることが大切です。
多少極端な言い方かもしれませんが、似た表現として、”with all faults”(あらゆる瑕疵(かし)があるまま)があります。
“as is”とされた製品、商品が必ず瑕疵(かし)があるとは限りませんが、「瑕疵(かし)があっても、おかしくない」といったリスクを想定することが必要です。
“As is”の効果的な活用法
“as is”の効果的な活用法ですが、製品、商品、不動産を売る側にて、保証責任まで負いたくない場合が有効と言えます。
またベンチャー企業において、新しい技術を開発し、大企業にその技術、製品を提供する場合もプラスになりやすいです。開発された技術には、まだ発見されていない不具合、バグなど存在する可能性もあるため、as isを効果的に英文契約書に盛り込むとよいです。
“As is”を使った例文
最後に”as is”を使った例文を掲載します。
While DEF requests that ABC inform DEF of any suggestions for change or correction of bug, DEF furnishes the Product to ABC on an “as is” basis.
(訳)
DEFは、ABCがバグの変更または修正に関するいかなる提案をDEFに通知することを求めるが、DEFは、本製品を「現状のまま」で、ABCに提供する。
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