国際間での売買契約、販売店契約には、頻繁に”INCOTERMS”が用いられます。

”INCOTERMS”とは、”International Commercial Terms”の略で、国際商業会議所(ICC)が定めた貿易取引の条件と解釈に関する国際規則です。

今回は、”INCOTERMS”について解説致します。

そもそも”INCOTERMS”とは。

“INCOTERMS”とは、「インコタームズ」とよばれ、その規則は、アルファベット3文字(FOB、CIPなど)で書かれ、売主・買主間の物品の引渡しに関するリスク移転の分岐点、役割や費用(運送の手配、運賃の支払い、保険の手配、支払い、通関の手続き・費用の負担など)を定めたものです。

ただし、物品の所有権の移転、契約違反時のルールについては定めていません。そのため、これらの取り決めは別条項で定めることが一般的です。

英文契約書での”INCOTERMS”の使われ方

ここでは、英文契約書で見られる、”INCOTERMS”を使った条文例をみていきます。

(例文)

The trade term “CIP” shall be interpreted in accordance with INCOTERMS 2010, as amended.

(訳)

「CIP」という貿易用語は、インコタームズ2010あるいは改訂版により解釈されるものとする。

*このように、インコタームズは法律ではありませんので、当事者でインコタームズ2010を採用することに合意した旨の条文を明記する必要がございます。

“INCOTERMS”(インコタームズ)がよく使われるのは、英文契約書で、某国法に準拠すると契約で規定しても、国際取引においては、準拠法では対処できない想定外の事態も予想されるためです。

また、トラブル回避のため、当事者間の特約により、内容をより明確に、具体的にしておく必要があります。

“INCOTERMS2010″には11種類あります。

現行の”INCOTERMS 2010″には11種類あります。

今回は11種類の項目を挙げます。

EXW: Ex Works,(工場渡)

FCA: Free Carrier,(運送人渡)

CPT: Carriage Paid To,(輸送費込)

CIP: Carriage and Insurance Paid To,(輸送費保険料込)

DAT: Delivered at Terminal,(ターミナル持込渡)

DAP: Delivered at Place,(仕向地持込渡)

DDP: Delivered Duty Paid,(関税込持込渡)

FAS: Free Alongside Ship,(船側渡)

FOB: Free on Board,(本船渡)

CFR: Cost and Freight,(運賃込)

CIF: Cost, Insurance and Freight, (運賃保険料込)

 

 

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