今回は、英文契約書でもよく交わされる「秘密保持契約書(守秘義務契約書)」について解説していきます。企業によって、「秘密保持契約書」や「守秘義務契約書」と言ったりしますが、いずれも内容は同じです。

英語では、”Non-disclosure Agreement”(略して”NDA”)の表記が一般的ですが、この他にも、”Confidentially Agreement”や、”Confidential Information Agreement”と書く場合もあります。

まず、秘密保持契約書の目的を明確にする。

「秘密保持契約書」に限らず、契約書において「目的」を定めることは、非常に重要です。

「秘密保持契約書」においては、秘密・機密情報を守るための契約書であり、開示情報が第三者に漏れるのを防ぐために交わすものです。一般的には、企業間で交わすことが多いのですが、企業と社員で交わす例もございます。

今回は企業間で交わす秘密保持契約書を念頭に解説致します。

当事者は誰なのか?

契約書であれば、当然ながら、当事者を明確にする必要があります。契約書の前文には、通常当事者の企業名が書かれるので、容易に当事者は把握できます。

しかし、ときには、別条文にて、相手方が、子会社・関連会社まで開示情報を含める旨を書いている場合もあります。秘密情報を子会社・関連会社まで含めるかどうかも注意深く確認、検討し、含める場合にはその注意事項を契約書に明記する必要があります。

秘密情報の定義(対象範囲)を定める。

また、秘密情報の定義、対象範囲を定めることも、「秘密保持契約書」の中で、最も重要な内容の一つと言えます。

開示する側は、開示秘密情報をできるだけ幅広く定義するのに対し、受領する(開示を受ける)側は、対象秘密情報の範囲をできるだけ狭くする傾向があります。

また秘密情報は、文書だけでなく、データも含むこともできます。

実務上、何が秘密情報か明確にしにくい状況を想定すれば、秘密情報とされるものであれば、「秘密」または”Confidential”と明確に相手方にも分かるように記載し、また、契約書にも秘密情報には、「秘密」あるいは”Confidential”を付すことを明記することをお勧め致します。

万一相手方への許諾を得ず、秘密情報を漏らしてしまうと、最悪、損害賠償や訴訟まで発展するケースもありますので、秘密情報の対象を明確にしておくことが大切です。

さらに、秘密情報の対象のみならず、秘密情報の管理体制まで契約書に盛り込むと、より漏洩リスクを減らすことができます。例えば、契約書にて自社の秘密情報管理体制と同じレベルを、相手方に求めることも可能です。

秘密保持契約書において記載するポイントは、さらに続きますので、次の記事にて追加して書く予定です。

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