これまで英文契約書特有の用語を解説していますが、英文契約書の理解を深めるには、1つ1つの用語をコツコツ習得することが大事だと考えています。

今回は、”power of attorney“(委任状)について解説致します。

“Power of Attorney”とは。

“power of attorney”とは「委任状」という意味です。個人的には、”power” は漢字の「力(チカラ)」と書かれていて、書面や文書のイメージが湧かないのですが、イディオム的に、”power of attorney”で「委任状」と理解する方が早いと言えます。

それでは、”power of attorney”の典型例を見ていきます。

(例文)

POWER OF ATTORNEY

KNOW ALL MEN BY THESE PRESENTS:

  (Name A)            , hereinafter referred to as PRINCIPLE,

in the County of                                   , State of                                    ,

does appoint     (Name B)                                   their true and lawful attorney.

(訳)

委任状

本状をもって、以下を証する:

(       )州(   )郡の A は、以下「本人」というが、 B を真正かつ合法的な代理人に指名する。

“KNOW ALL MEN BY THESE PRESENTS”は、委任状によくみられる表現で、「全ての人は、本状により、以下のことを知られよ」という意味になります。あえてを訳すならば、「以下のことを証す」程度で通用致します。

・”does”は「強調」の意味を示しています。

委任状すべてが、”power of attorney”か?

先程、”power of attorney”が「委任状」という意味と書きましたが、反対に「委任状」の全てが、”power of attorney”と英訳するかというと、そうではありません。

例えば、株主総会で議決権を行使するために発行される委任状は、”proxy“と言います。

文化、ビジネス習慣などの背景の違いにより、日本語と英語は必ずしも一致する訳ではないのです。

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