今回は、英文契約書の「代理店契約等」で頻繁に見られる、”Hold oneself out as ~“について解説致します。

“hold”と言えば、「持つ・つかむ・保つ・握る」といった意味が思い浮かぶものですが、英文契約書などで”hold oneself out as”として使用された場合、「~として振る舞う」という意味になり、さらに”shall not”に続けることで「~として振る舞うことを禁止する。」という意味になります。

それでは例文を見てみます。

(例文)
The Agent shall not hold itself out as principal in any event.

(訳)
代理店はいかなる場面でも本人として振る舞ってはならない。

このことは、代理店であっても顧客との間で直接売買契約の当事者になることを禁止する、と意味です。あくまでも売主の代理人として行動し、主体(本人)として売買行為を行ってはならない、ということです。


・”shall”は、英文契約書においては「義務」を表し、”shall not”では「禁止」の意味になるので、注意が必要です。

・売買関係では、実際の売主は本人で、買主は販売代理店が取り次いだ顧客となります。

代理人(”agent”)は本人(”principal”)の委託を受け、本人の危険・計算・責任で本人から手数料を得て取引を行います。広告宣伝、価格決定、担保等は本人が決め、責任を持ちます。一方、代理店は店舗の維持費や従業員の給与等に責任を持ち、販売商品・サービスにおける責任は持たないのが、一般的です。

“hold oneself out as”を用いたわかりやすい用例を示します。

(例文)
He holds himself out as a doctor.

(訳)
彼は医者のように振る舞う。(本当は彼は医者ではない。)

この例では、”represent oneself as”を使って言い替えることもできます。”represent”には、「振るまう・演ずる」といった意味もあります。

英文契約書のご相談、ご依頼は、横浜のかもめ行政書士法人にお任せ下さい!関東・関西各地よりご依頼を頂いております。相談料は無料で対応していますので、お気軽にお問合せ下さい。

無料相談実施中。045-392-3713までお電話ください