横浜で英文契約の作成、リーガルチェックなどを行っている、かもめ行政書士法人です。
通常は英文契約書を作成したり、リーガルチェック後、修正契約案など提供していますが、ネットに関わる依頼を頂くこともあります。
ネットでも英文契約が使われる?
ネットに関わる英文契約に近いご依頼ですが、英文での利用規約(Terms of Use/ Terms of Service/ Terms and Conditions)やプライバシーポリシー(Privacy Policy)が多く、その対象はインバウンド向け(コロナ禍前)、ゲーム、イラストに関するものです。
サイトを見れば、下の方に「利用規約」や「プライバシーポリシー」を目にしたり、登録や取引を行う際、「利用規約、プライバシーポリシーに同意しますか?」と表示を目にすることは多いと思います。
とはいえ、実際「利用規約」や「プライバシーポリシー」を読むことは、あまりないのでは、と思います。
問合せを頂いて、海外のサイトの「利用規約」、「プライバシーポリシー」、「ライセンス契約」を色々調べていくうちに、英文契約書にて使用される条文と似た内容や文言が多いことに気づきました。
また、認知度では日本国内でのサービスと思っていても、海外に向けてもサービスを行っている会社もあります。
例えば、ウォンテッドリーも当てはまります。(ウォンテッドリー海外向けサイトの利用規約)
日本と海外の「利用規約」等の違い
仮に同じ業界で、日本のサイトでの利用規約と海外のサイトでの利用規約を比べてみますと、日本では多少抽象的な表現が多く、条文も短いのに対し、海外では、より詳細に規定し、また内容も多く記載される傾向があります。
その違いは国民性によるかもしれませんが、契約に対する「性善説」と「性悪説」のスタンスにより、利用規約、プライバシーポリシーの内容も大きく変わります。
そのため、英文での利用規約、プライバシーポリシーの依頼を頂く際は、依頼の方へ確認する内容もより細かくなります。
利用規約と英文契約書の違い
先程、利用規約と英文契約と似たところが多いことを書きましたが、逆に利用規約と英文契約書と異なる点を挙げていきます。
・利用規約では平易な単語が使われやすい。
例えば、英文契約では「~するものとする」という文言を”shall”、「~することができる」の場合は、”may”と記載することが多いのですが、利用規約では、”must/ have to”、”can”とそれぞれ書かれることが多いです。
・利用規約では、”You”や”We”が使われやすい。
利用規約では、これからサイトを利用するため、アカウント登録する方を、”You”と表現し、また、サイト運営者を”We”と表現することが多いです。
一方、英文契約書では、それぞれの当事者を簡明に書くことが多いです。しかし、日本のように、「甲」や「乙」に対応する表現(敢えて書くとすれば、Party “A” , Party “B”となりますが)は、見られません。
英文での利用規約・プライバシーポリシーを作成するにあたって
弊法人にて、英文での利用規約などの依頼を受けた際は、単に利用規約を作るのではなく、まず、ご依頼者のビジネスから理解を努めます。
ビジネスは、大きくモノなど実際触れられるハードなものと、実際触ることのできないソフトなものに分けることが出来ます。
ソフトに分けられるものは、知的財産権、著作権、所有権、ライセンス、秘密保持などの諸権利の検討が不可欠と言えます。
また、EUに関わるものであれば、「EU一般データ保護規則」(General Data Protection Regulation: GDPR)も考慮に入れることが大切です。
ご依頼者からのビジネスを把握した上で、そのビジネスや地域(環境)に適した条文を利用規約や、プライバシーポリシーに入れていくよう心掛けています。
かもめ行政書士法人では、英文での利用規約、プライバシーポリシーの作成にも対応しています。海外向けのサイト制作をお考えの方にお役に立てれば幸いです。