今回は、ライセンス英文契約書などによく出て来る “royalty” について説明します。

“Royalty”(ロイヤルティ)の起源

ラテン語の “rex” (君主、王侯)が、フランス語の “roi” (王、国王)となり、そこから英語の “royal” (国王の)が登場しました。”royalty” は、その名詞形で、王位、鉱山使用料、特許権使用料、著作権使用料、貨幣鋳造税等の意味があります。

royalty” は、王の権利、すなわち、権利を持つ者に支払う対価を意味したのです。現在では、特定の権利を利用する利用者が、権利を持つ者に支払う対価で、主に知的財産権に対する対価をいいます。特に著作権に対する対価は、印税ともいいます。

“Royalty”(ロイヤルティ)の使い方

英文契約書では、商標、著作権、特許、トレードシークレットなどの許諾(ライセンス)の対価である使用料のことをいい日本の契約書においても使用料とも、ロイヤルティともいいます

ライセンス契約では、ロイヤルティ(使用料)の決め方と支払方法の取り決めは、許諾地域(territory)、独占性(exclusiveness) の有無と並んで、もっとも重要なものの1つとなっています。

それでは、”royalty” の使用例を見てみましょう。

(例)

In consideration for the grant of the license by A to B, B shall make a fixed annual payment of US $100,000 (One Hundred Thousand United States Dollars) as a royalty for each year during the term of this Agreement.

(訳)

AによるBに対するライセンスの許諾対価として、Bは、本契約の有効期間中、毎年ロイヤルティとして年間固定額100,000米ドル(10万米ドル)を支払うものとする。

“royalty” は、以上のように使用料、対価の意味で使われますが、間違えやすいのが、”loyalty” です。後者の意味は、忠義、忠誠、勤王、誠実といった意味で、日本でもブランドロイヤルティ、ショップロイヤルティなどと、愛着や信頼という意味合いで使われています。基本的なところですが、”r” と “l” 、スペルに注意が必要です。

“Royalty”について注意すること。

“Royalty”は文字どおり金銭に関わる事項のため、契約には、Royaltyの詳細な算定基準、対象範囲、支払方法等を記載することが不可欠です。関連して、算定根拠となる、帳簿や記録の管理、場合によっては調査や検査を受け入れるか/ 行えるのか等の検討も必要になります。

日本から”royalty”を支払う際は、源泉所得税が関わってきます。税率は20.42%(2021年現在)と高い水準で、源泉制度を採用している国は非常に少ないため、相手国からの理解を得るのは容易でないこともあります。また、租税条約の検討や対応も必要になりますので、税理士の方へ相談されることをお勧め致します。

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