英文契約書には、日本の契約書にはない考えも多いのが、実情です。

国際間の輸出入を行うときは、英文にて契約を交わすことが多いと捉えますが、今回は、代理店契約(Agency Agreement)と販売店契約(Distributorship Agreement) について解説致します。

代理店契約(Agency Agreement)とは。

一見、代理店契約と販売店契約の違いは分かりにくいのですが、実は大きな違いがあります。

日本の契約書では、代理店契約にまとめられますが、英文契約書では区別されています。

代理店契約(Agency Agreement)とは、取引先(法的には「本人: Principal」と言います。)の代理人として振る舞う契約を言います。

(”Principle”については、このページにて解説しています。)

具体的には、商品の在庫管理・リスク、ベンダー(小売店など)に対する売掛金回収の責任を負わず、販売手数料(commission)にて売上・利益を上げる形態です。

販売店契約(Distributorship Agreement)とは。

販売店契約は、代理店契約と異なり、取引先から商品を購入し、自己(販売店側)の責任にて商品の販売、在庫管理、売掛金の回収まで行う契約です。

簡単に書きますと、商品を仕入れ、販売、代金回収の責任まで販売店はカバーする、といったものです。

実務上のポイント

各代理店契約、販売店契約のポイントは、別記事にて記載致します。

仮に、英文契約書の表題に、”AGENCY AGREEMENT” 、”DISTRIBUTORSHIP AGREEMENT”と書かれていても、必ずしも、それぞれ”agency”、”distributorship”の内容が明記されている訳ではありません。

実際、過去”agency”(代理店)と表題には書いておきながら、実質の内容は、”distributorship”(販売店:商品仕入で、コミッションベースではない)である契約書ドラフトを見たこともありました。

この場合、契約書の実態内容の方が優先されることになりますので、契約書の内容まで注意深く確認を行った上で署名することが不可欠と言えます。

 

また、そもそも論にはなりますが、国際間取引でも、取引先は信頼できるビジネス・パートナーだからという理由で、英文契約書が存在しないケースも時々見受けられます。

お互いのビジネスが好調なときは、トラブルなど生じないと思いますが、急な経済・政治状況の変化(為替変動、法改正、自然災害、ストライキ、テロ、取引先の突発的な破産・倒産など)のリスクは、海外取引の方が高いです。

その意味でも、英文契約書を整備していない場合は、予見されるトラブル、リスクを取りまとめ、英文契約書に最大限盛り込まれることを強くお勧め致します。

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