横浜で英文契約書の対応をしている、かもめ行政書士法人です。

おかげ様で、全国各地(北海道から沖縄まで)より英文契約のお問い合わせやご依頼を頂いています。

士業事務所からもご依頼を頂いているのですが、中でも会計事務所(税理士の方)より英文での業務委託契約書(いわゆる、顧問契約です。)の作成依頼を頂くことが時折あります。

過去記事:「税理士の英文顧問契約書について」

英文と和文の契約書を両方作成するときの留意点

税理士の方より、英文による業務委託契約の作成依頼を受けるときにおいても、「和文と英文、いずれが正本(オリジナル)か?」の

確認を行います。

これまでの経験上、和文の契約書を正本するケースが多いのですが、中には、英文の方を正本にするケースもあります。

よって、翻訳版のものついては、「あくまでも翻訳であること」を明記するようにしています。

税理士の方に限らず、和文、英文両方契約書を用意する際は、いずれの言語版を優先にするかは、非常に重要です。

日本の契約書と英文の契約書は同じものなのか?

先ほど、税理士の方からの業務委託契約書作成依頼について、「和文を正本(オリジナル)とすることが多い」ことを書きましたが、実は内容を見て、日本語の契約書を見直すことは多いです。

実は、契約書の類型として、「大陸法」と「英米法」に基づくものと大きく2つに分かれる、と言われています。

日本でよく作成される契約書は「大陸法」の区分になります。

相手を基本的には信頼し、契約内容も端的に記載し、数ページ程度の分量になるのが、典型的な大陸法に基づく契約書です。

それに対し、英米法は、基本的には相手を過渡に信用せず、細部に渡って記載し、分量も多めで、過去には50ページに渡る契約書も見たこともあります。

よって、英文の契約書を作成する際は、和文の契約書より細かく契約内容を記載したり、条文も増やしたりします。

例えば、英文契約書には、どの国の法律に従い解釈するか、という準拠法条項を盛り込むことは一般的なことです。

一方、和文の契約書は当然、日本国の法律に従うことは、ごく当然のことのため、「日本国の法令に従い解釈する」と記載されることは通常ないといえます。

この他、完全理解条項や、分離可能条項、契約当事者独立条項など、日本の契約書ではあまり見られない条項が、英文契約書では見られることから、日本の契約書と英文の契約書は必ずしも同一とはいえないです。

海外の会計事務所には、Engagement Letterが使われる。

日本の会計事務所(税理士の場合)では、顧問契約を締結する場合、「業務委託契約」の名称にて、クライアント、税理士共に契約書に記名押印をする形式ですが、海外の会計事務所では、”Engagement Letter“の名称にて、文書通知形式にて、クライアントに書面による同意を求めるスタイルが一般的です。

実際、代表がアメリカで米国公認会計士を勉強していた際も、監査論の科目で、「クライアントと監査契約を締結する際は、Engagement Letterにて行う」旨がテキストに書かれていました。

ビジネス文化の違いと言えますが、士業事務所との契約締結にもスタイルの違いがあります。

税理士の英語表記は、どうするのか?

日本独自の制度の場合、英語にて記載する際、意外に悩みます。税理士についても、海外では、公認会計士が税務申告も行うことが一般的です。代表がアメリカにて公認会計士の勉強をしていたときも、Regulationの科目の中にTax項目がありました。

日本税理士会連合会のHPにて、税理士の英語表記を、”Certified Public Tax Accountant”、”Zeirishi”とする解説が載っています。個人的な見解ですが、英文契約書に記載する際は、”Certified Public Tax Accountant”にて問題はないのですが、契約書に業務範囲や業務内容を明確にする方がより大切では、と捉えています。

参考:日本税理士会連合会HP

まとめ

士業の方からの英文契約書では、税理士の方による業務委託契約書の依頼を頂くことがあります。通常和文の契約書がオリジナルになることが多いのですが、英文契約書には、英米法特有の条項もあるため、日本語の契約書を修正することもあります。

海外の会計事務所では、Engagement Letterという、文字通り文書通知にて、クライアントに文書の内容に同意を求めるスタイルが一般的です。

税理士の英語表記については、”Certified Public Tax Accountant”のほか、”Zeirishi”の表記の仕方もあります。

会計事務所に対応した英文契約書のご依頼は、実績のあるかもめ行政書士法人にお任せください。代表はアメリカにて米国公認会計士(USCPA)に合格していますので、会計分野にも理解があります。

無料相談実施中。045-392-3713までお電話ください