今回は、英文契約書でよく見られる”Principal”について説明します。
“Principal”は、英文契約書において通常「本人」と訳します。これは”agent”(代理人)に対する用語です。商取引において、本人(”principal”)とは、少し難しく書きますと、自分の名、計算、責任、危険で取引を行う人のことです。一方、「代理人」(”agent”)は、自身の名、計算、責任、危険で行わず、手数料(”commission”)でもって取引を行う人です。
それでは例文で見てみます。定義づけのようなものです。
(例文)
The principal is liable for the act of agent.(英文)
(訳)
本人は代理人の行為に責任を負う。
もう一つ事例を上げます。売買契約書(”Sales Agreement”)での取引資格である”Capacity”の条項で頻繁に使用されている例文です。
(例文)
Both parties shall be Principals acting on their own account and responsibility.
(訳)
両当事者は、自己の勘定と責任に基づき取引を行う本人とする。
注:”shall”は、英文契約書にて「義務」を示し、強めの意味になります。
売買契約においては、通常「代理人」は存在せず、「売主」”Seller”、「買主」”Buyer”がともに本人(当事者)となります。
なお、上の例と違った使われ方もあります。英文契約書の冒頭部分では、当事者の住所・氏名(法人名)・契約締結日等の記載がなされますが、
(例文)
A Co., Ltd., having its principal place of business at B・・・
(訳)
Bに本社を持つA株式会社
のように”principal”が形容詞として使われている場合です。この場合、「主要な」という意味になります。(”having”以下は現在分詞の構文です。)
“principal”には他にも「校長」「元金」「社長」などの意味があります。スペルが似ているので、ドラフトの段階で”principle”(「原則、主義」)と間違わないよう注意してください。
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