少し以前のことですが、英文における株式譲渡契約のレビューを行いました。
今回は、株式譲渡契約について、注意すべきポイントについて書きます。
そもそも株式譲渡とは。
株式譲渡とは、簡単に書きますと、「経営権の移転」を表します。
実際の行為と言えば、株式を保有する株主との間で株式譲渡契約を交わし、会社法の規定に従い、株式を譲渡することになります。
株券の発行がある場合は、株券の発行がされますが、株券を発行していない場合は、株主名簿に株主として記載されるのが、典型的な手続きです。
幣事務所でも、株式会社を設立するご依頼も多数頂いていますが、株券を発行しない場合が殆どです。
株式買主側のリターンとリスク
株式譲渡が、事業を引き継ぐ類の場合は、当然将来の事業拡大を見込み、利益の確保を目指していくものです。
一方で、表に出ていない債務や訴訟を抱えていたり、財務諸表の粉飾が行われていたりといったリスクもないとは限りません。
そこで、株式譲渡を受ける際は、現地の公認会計士(CPA)による監査を証明する監査報告書があるのか、財務諸表を読むときは、B/S、P/Lの数字以外にも、注記(Notes)にも目を通すことをお勧めします。
さらに、経営者に、財務諸表には粉飾がなく、隠蔽等がないことを表明する、宣誓書(Representation Letter)も、可能でしたら入手することも有効と言えます。
とは言っても、経営者が知らないところで、粉飾、債務、訴訟も起きてしまう事例もございますので、問題が起きた際は、経営者が責任をもって解決することを約束する文面も用意することをお勧めします。
このように、株式購入し、事業を引き継ぐ際は、価格のことが関心事になりやすいのですが、事業(会社)の状況についても細心の注意を求められます。
海外の株式譲渡契約書について気を付けたいこと。
1.会計用語を理解すること。
日本語においても会計用語は難しく、英語になるとさらに理解を伴わない状況もあるかもしれません。しかし、契約書を交わす以上、英語による会計用語を確認し、理解することが不可欠と言えます。
2.現地の会社法も理解すること。
日本の会社法と同様のことが、現地においても当てはまるかと言えば、必ずしも当てはまるとは限りません。現地の会社法も目を通されることもお勧め致します。
3.そもそも事業を売却するのに、何も問題がないということは、あり得ない。
そもそも論ですが、事業を売却するのであれば、相応の問題があると思って間違いないと思います。問題が起きなければ、運が良かったと捉えることが、適切です。
そのために、事前に考えられるリスクを担保するため、契約書を交わす訳です。
英文による株式譲渡契約も、横浜のかもめ行政書士法人へお問合せ下さい。米国公認会計士の試験にも合格しており、経理にも携わった経験がございます。初回相談料は無料で行っています。