ラテン語(Latin)は、当初はイタリア半島中部のラティウム(Latium) で用いられた言葉でしたが、やがてローマ帝国の公用語として広く用いられるようになりました。現在も英文契約書において、時おり見かけるラテン語があります。
今回は、”per diem“(「一日につき」「日ぎめで」=per day, by the day )と “per annum” (「毎年」「一年につき」=”per year” )について説明します。
“diem”,”annum”ともにラテン語の主格”dies”「日」”annus”「年」の対格(目的語)にあたり、前置詞”per”を伴って副詞句となります。
英文契約書において、”per dium“は「日当」という意味で使われます。専門家による技術指導及び経営指導やエンターテインメントの実演(ライブ)などの契約条件を取り決めるときに、「技術者1名、1日あたり〇〇ドルを支払う」「アーティスト1日あたり△△円を支払う」という取り決め方を行います。この場合、英語でいえば、”daily allowance”が1番近い表現でしょうか。
リビング・コストの(living costs)の高い地域で、たとえば1日の食事代(meals)を決めて一定額を支払う方式があります。ホテル代(accomodation), 交通費(transportation) の標準額を決めて一定額を決めることもあります。”per dium”は個別の実費精算ではなく、想定コストによる1日あたり一定額の支払いのことです。
“per annum“は「1年あたり」という意味ですが、融資契約での金利表示のために、このラテン語が頻繁に使われます。たとえば、”eight (8) percent per annum” (年利8%)というように使われます。
“per annum“の使用例を見てみます。
(例)
THe interest rate to be paid by the Borrower to the Lender on the Lone hereunder shall be five percent (5%) per annum on the balance of the Lone・・・・・・.
(訳)
本契約上の貸し付けにつき借主により貸主に対して支払われるべき金利は、借入金残高について、年5%とする。
上の例のように、金利については、固定金利「年 XX %」が、単純でわかりやすい決め方の1つですが、実務上は、変動金利により決めるケースも増えてきています。基準となる指標としての金融機関の金利(たとえば、LIBOR)を規定し、その上で、一定の増減を図るという方法もあります。
通常、金利計算期間は詳細に規定します。1年を365日として計算する場合と、360日として計算する場合がありますので、注意してください。
英文契約書のご相談・ご依頼は、横浜のかもめ行政書士法人にお任せ下さい!関東・関西各地よりご依頼を頂いております。相談料は無料で対応しています。