英文契約書には、時としてラテン語が出て来ることがあります。今回は、”bona fide“(発音ーボウナ ファイディ)について説明します。”bona”は、”bonus”(ボーナス)などとつながっており、英語の”good”を意味します。英語の”fidelity”(忠誠)の語源である”fide”は「信頼のある」という意味です。
“bona fide“を英語で表わすと”in good faith”となり、形容詞的にも副詞的にも使われ、「善意の」「善意で」という意味になります。
“bona fide“は”「誠実な」という意味で”bona fide discussion”(誠実な交渉)のようにも使われます。実際の使用例を見ていきます。
(① 例)
A and B agree that they will enter into bona fide discussions in an attempt to solve any issues or dispute which may arise from the interpretation or performance of this Agreement.
(訳)
AとBは、本契約の解釈または履行から生ずる一切の問題または紛争を解決すべく試みるにあたり、善意の話し合いを行うものとする。
(② 例)
A and B agree to use their best efforts to resolve any dispute arising out of or in connection with this Agreement through consultation in good faith.
(訳)
AとBは、本契約からまたは本契約に関して生ずる紛争を誠実ある協議で解決すべく最善の努力を払うことに合意する。
以上の2例ともに誠実な協議による解決を目指した規定です。
①例はラテン語”bona fide”を使い、②例は英語”in good faith”を使っていますが、表現の違いにかかわらず、規定のねらいと効果は変わらないことを、覚えておいてください。
そこで、自分の側でドラフトを作成する場合には、”in good faith”を使用した方が無難です。ただ、相手側から契約書案の提示を受けることが、実務上少なくないことを考えると、”bona fide”の意味や使い方を習得しておいた方がよいでしょう。
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