英文契約書には、英文契約書独特の表現も多く使われるため、単に「英語ができる」だけでは、契約書の理解ができる訳ではありません。

今回は、“in lieu of”について解説致します。

英文契約書での、”in lieu of”とは。

“in lieu of”とは、ラテン語から来ており、「~の代わりに」という意味です。英語で書けば、”instead of”、”in substitution of”になりますが、「保証」や「損害賠償」などの規定した後、それが他の救済(”remedies”)に代わる全てだと取り決めを行う際に、この表現が使われます。

自社で英文契約書ドラフト作成時に、”in lieu of”はラテン語であるため、使用することはさほどないかもしれませんが、相手側がドラフトを作成した際、この単語を見かけたとき、意味がわかるレベルにしておくと良いです。

ニュアンスとしては、柔らかくスマートな表現とされつつも、”exclusive”相当の排他的な強い意味も含んでいます。

“in lieu of”を使った例文

いつものように、”in lieu of”を使用した例文を見ることで、より理解を深めていきたいと思います。

(例文)

The foregoing warranties are in lieu of all other warranties, whether oral, written, express, implied, or statutory.

(訳)

上記の保証は、口頭、書面、明示、黙示、法定の全ての保証に代わるものである。

注:

“foregoing”とは「上記の」という意味です。

この例文の意味合いですが、本来であれば適用されるはずの「保証」内容を否定・排除し、上記に記載されて「保証」のみ適用する、ということになっています。とりわけ、「法定の保証」が排除されていることに留意すべきです。

「保証」には、「明示の保証」と「黙示の保証」に大きく分かれます。「明示の保証」は、見本、説明書が物品と一致することということが、簡単な意味です。また、「黙示の保証」には、「権原保証」(”warranty of title”)、「商品性の保証」(”merchantability”)、「特定目的適合性の保証」(”fitness for particular purpose”)にさらに分かれます。

「黙示の保証」には、相応の説明が必要になりますので、別の機会に解説いたします。

 

英文契約書におけるご相談、ご依頼は、横浜のかもめ行政書士法人にお任せ下さい!英文契約書の作成、リーガルチェック等に対応しています。初回相談料は無料です。

無料相談実施中。045-392-3713までお電話ください