今回は、英文契約書にて注意しておきたい表現について、解説致します。
英文契約書に限らず、日本語の契約書においても、「最大限の努力を行うものとする」、「最善の努力をする」という記載をすることがあります。
「最大限の努力をする」を英語にすると、私たちは、”make best effort”、”use utmost effort”といった表現を思い浮かべる方も多いと思われます。
しかし、英文契約書にて”make best effort”と書くと、相当ハードルが高い(すなわち、履行義務が強い)ので、使用するときは十分注意を払って使う必要があります。
英文契約での”best effort”とはどの程度を意味するのか。
日常会話での”best effort”とは、日本語でいう「頑張ります!」というニュアンスで、結果・成果までは約束しない意味で使われることが多いです。
一方、英文契約書では、「希望する目的達成のために、可能な一切の努力を行い、可能なあらゆる財政的資源を使う義務を負う」という強い意味があります。
英語にはなりますが、”best effort”の意味は、次の通りとなります。
“best effort includes the obligation to make every possible effort, and to use all possible financial resources, to achieve the desired goal”
「最大限の努力をする」を英文契約書に反映させるには。
契約上「最大限の努力をする」、いわゆる努力規定を記載するには、“(every) reasonable effort”(合理的な努力)という表現が適切と言えます。
一方、こちら側は、確実に相手が目的達成のため、確実に履行してもらいたいのに対し、相手側が”reasonable effort”を主張し続ける場合には、相手の行動内容を詳細に取り決め、”reasonable”を具体的に定義していくことが大切といえます。
“reasonable”(合理的な)と言われても、「どういうことが合理的なのか」は、当事者によって解釈が異なる余地が大きいだけに、具体的な内容まで取り決めを行い、その結果を契約書など文書に残すことをお勧めします。
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