英文契約書によく出て来る “territory” (テリトリー)について解説します。一般的には「領域」「領土」「受け持ち地域」「なわ張り」といった意味で知られていますが、英文契約書では、「地域」「エリア」などという意味で使用されます。

territory” は、「土地」「陸地」を意味する、ラテン語の女性名詞 “terra” を語源としています。 “ory” はラテン語系名詞語尾です。

territory” は、販売店契約(Distributor Agreement) では販売地域を、特許ライセンスでは、実施許諾地域を、著作権ライセンスやブランド・ライセンスでは使用許諾地域を指します。

販売店契約では、通常、メーカーが販売店に商品を販売してもらう場合、販売地域を定めます。その地域以外では、販売促進、販売活動ができないと定められます。

一般的に販売店契約では、販売店は、”territory” (テリトリー)は広い方を望みます。”Minimum Purchase Quantity” (最低購入量)の問題等がなければですが。

メーカーは、販売店の市場規模の大きさや販売網を勘案し、”territory” を当初はあまり広げず、実績をみて、徐々に広げていくことを、通常、望みます。

そのため、販売地域の範囲は重要で、後で当事者間の紛争の原因にならないよう、”South Asia” といったあいまいな規定ではなく、国名等、エリアを明確にすることが必要です。

territory” に関しては、独占禁止法(反トラスト法)等の強行規定に抵触しないように注意することも必要です。たとえば、アメリカでは州によって法令が違います。強行法規に違反・抵触した場合、抵触した規定の効力に影響が生じるだけとは限りません。

相手方が、契約違反し、支払うべき使用料を支払わないで、逆に損害賠償請求を突きつけてくることがあるのです。裁判で不利な扱いを受け、結局、最初の契約構成のミスのため、相手方が違反しても、その救済を受けられなくなります。

販売店契約における “territory” の使用例を見てみましょう。

(例)

The license granted by A to B for the distribution of the Products in this Agreement is limited to the countries of Japan and Australia (“Territory“) only. A, however, allows B to manufacture the Products in Taiwan, the people’s Republic of China.

(訳)

本契約に基づき本製品の販売のためにAがBに与える販売許諾は、日本とオーストラリアの両国(「販売地域」)に限定される。Aは別途、Bが本製品を台湾、中国で製造することを認める。

例文は、販売地域と生産地域が違っている場合です。両地域の区別をめぐっても紛争になることがあるので、”territory” の規定の交渉をする際には、やはり注意が必要です。

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