英文契約書でよく見かける一般条項の1つ “force majeure” (不可抗力) について解説します。

“force majeure”(フォース・マジュール) はフランス語であり、女性名詞の “force” は「力」「強さ」の意味を、”majeure” は形容詞で「抵抗することのできない」「やむを得ぬ」といった意味を持っています。英語式にすると “major force”(人間に及ばない大きな力) となりますが、この英語は使われません。

force majeure” とは、地震、台風、津波などの自然災害のみではなく、ストライキ、戦争、内乱、暴動などを含む、いわゆる「不可抗力」を指します。日本語や英語にぴったりの訳語がないので、「フォース・マジュール」とそのまま呼ぶことも多いです。

履行期までの期間が長い取引や、有効期間の長い国際取引契約では、契約時に想定していなかった事態が発生することがあります。不可抗力が発生した場合にどのように解決するのか、あらかじめ契約当事者のそれぞれの責任やリスク負担を明確にするために、不可抗力の規定が置かれます。

ただ現実は厳しく、注意深く不可抗力の規定を置いたつもりでも、なお、その適用範囲や効力を巡って紛争に発展することがあるのです。

やや長文ですが、実際に “force majuere” を使用した文例を見てみましょう。

(例)

Neither party (“Affected Party”) will be deemed in default of this Agreement to the extent that performance of any obligation or attempts to cure any breach are delayed or prevented by reason of any act of God, fire, natural disaster, accident, shortage of material, or any other cause beyond the control of  the Affected Party (“Force Majuer“), ・・・・・

(訳)

いずれの当事者(「影響を受けた当事者」)も、義務の履行または違反の是正が天災、火災、自然災害、事故、資材の不足または影響を受けた当事者の制御を超える他の事由(「不可抗力」)により、遅延または妨げられたときは、その限度において、本契約の不履行とみなされないものとする。・・・・・

“force majeure” は、英語の “act of God” (自然災害、不可抗力)に似ていますが、”act of God” が自然災害を念頭に置いているのに対し、”force majuere” は範囲がもっと広いと考えられています。

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