英文契約書の”witnesseth”とは。

英文契約書には、古い英語が残っていて、いまだに使われている事例があります。

witnesseth” もその1つです。”witness” (証する)に三人称単数現在形の昔の語尾 “eth” が付いたものです。古い形の英語は古英語、古代英語 “OE”(Old English)と言われ、また、アングロサクソン語”Anglo-saxon” とも言われています。現代英語では 語尾の “es” が付き “witnesses” となります。

witnesseth” は、通常、英文契約書の前段部分、すなわち、当事者および契約に至った背景の説明部分で使われます。

間違えやすいのですが、契約書冒頭の “This Agreement, made and ・・・” の “made” は主語 “Agreement” を修飾する過去分詞として使われており、述語ではありません。述語は “witnesseth” です。

具体的な英文事例で確認します。

(例)

This Agreement, made and entered into on the first day of April, 2017, by and between A and B,

                                                       WITNESSETH:

WHEREAS, A desires to ・・・

WHEREAS, B is wiling to ・・・

NOW, THEREFORE, in consideration of the mutual agreements contained herein, the parties hereto agree as follows:

Article 1 ・・・

(訳)

AとB間で2017年4月1日に締結された本契約は、以下のことを証するものである。Aは・・・することを希望しており、Bは・・・したいと考えている。よって、ここに、本契約に含まれる相互の合意を約因として、本契約の当事者は次の通り合意する。第1条・・・

上記の例文は、売買契約書の事例ですが、訳文でもわかるように”witnesseth” の目的語は、”NOW, THERFORE,” の後に来る “the parties hereto agree as follows:” となります。この文書が作成される目的が “witnesseth” という語句の後に続くのです。

実は、英文契約書も簡略化されることも多い。

リーガルチェック等の依頼を受けて、英文契約書を読んでいると、毎回”WITNESSETH”の用語が出る訳ではありません。

前文における要約の記載は今でも多いのですが、最近は平易な表現で書かれていることも増えていて、テキストでは重要視されている「約因」(Consideration)の記載も簡略されていることも多々見られます。

個人的な見解になりますが、”WHEREAS”を使用しなくとも、「約因」相応の記載は行うことをお勧めします。「約因」は契約における交換概念で、英米法上、契約の成立において不可欠と位置付けられているためです。

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