英文契約書に登場するいくつかのラテン語のうち、今回は”pari passu“について説明します。

“pari”は「等しく」「同等の」という意味を持ち、英語の”par”「同等」もここから来ています。”passu”は「歩み」「歩調」の意味を持っています。”pari passu”となると「同一歩調で」「歩調正しく」「相並んで」「同時に」の意味となります。

英文契約書では「同順位の」「平等に」という意味で”pari passu“がよく使われます。融資契約等において、その回収につき債権者間で権利の劣後が起こらないように、債権額に応じて平等に債務弁済を受ける権利が保証されるからです。

無担保社債を発行している債務者が、仮に債務不履行を起こした場合などに、すでに発行している他の無担保社債に優先して債務の弁済をしないことを盛り込む条項“pari passu clause”(パリパス条項)と呼んでいます。社債以外にも無担保債権の優先関係でよく使用される条項です。

ただし、担保債権者については、その被担保債権の支払いの権利を排除しないため、パリパス条項の対象にしないことになっています。担保債権者は、その被担保債権の支払いを受けるために担保権の権利行使ができ、同順位にならないからです。

融資などで新規にジョイントベンチャーを支援するよう要請された企業や金融機関は、少なくとも他の一般融資債権等とパリパス条件であることと”negative pledge”条項を要求します。”nagative pledge”とは、その取引の時点で、担保等に提供されていない資産を担保に差し入れたり、質権設定したりしない約束のことを指します。返済財源を減らさないことがねらいです。

pari passu“の使用例を見てみます。

(例)

The obligation of ABC to make payment to KVC under this Agreement shall rank at least pari passu as to priority of payment with all of the present and future unsecured indebtedness of ABC.

(訳)

本契約に基づくABCのKVCに対する支払い義務は、少なくとも、ABCの現在及び将来のすべての担保権のない一般債権者に対する支払いの優先順位と同等とする。

“pari passu clause”(パリパス条項)で使われるラテン語”pari passu”という合意事項を表わす用語は、他の英語の用語に置き換えられないほど、実務上定着し、広く用いられています。

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